葬式


朝5時  カラスの声で眠りから覚める

からす  烏  
今日は葬式だから あんまり  良い気はしない

眠気眼で  「ああ 庭の柿木にとまって鳴いているんだ・・・」と
思いながら
うつら  うつら 「ああ起きなきゃ 朝飯の用意を・・・」


柿の木   昨年の秋に伐採したらしく、今年の春に帰省したときなかったじゃん


烏 止まれないよ   ひーーーー



この気分悪い話を自分の中だけでとどめて置くのは いやん なので
叔父らの配偶者らに早速ばらまいた


朝5時に寝ずの晩からかえってきた父曰く



「魂を迎えに とか 取りに とか 言うのぉ。あっ 今日はごみの日」


落ちをありがとうございます




インスタントだが 味噌汁と漬物 ごはん(1升)で
12人に朝食を食わせる



10時
葬式  3人の僧侶
袈裟が絽
払子
払子(ほっす)は、仏教の法要の際に僧が威儀を示すために用いる法具である。麈尾(しゅび、しゅみ)、白払(びゃくほつ)ともいう。獣毛や麻などの繊維を束ねて柄をつけたもので、本来は、インドで蚊や蠅など虫を追い払うために使われた道具であった。
中国の禅宗で煩悩を払う法具として用いられるようになり、日本では、鎌倉時代に初めて用いられた



あ  父の喪服も夏物だ
思考が飛ぶ

この宗派の経は イントネーション というか 抑揚があり
これまた不謹慎だが  聞き入る





出棺前
供花をおばあちゃんへ

渡された供花を手放したくなくて 甥っ子泣く
覚えたての言葉の中から「おばあちゃん」を
棺につかまりながら泣きわめくから
「幼いながらもおばあちゃんの死がわかり、泣いている」のだ
と 弔いに来た人の目には映っただろう  


今は死を感情的に受け入れていては 状況を把握し進行を記憶するのが困難になる
この葬式の後は  出棺  火葬場へ  時刻通りに行いすべて
終わらせてから  好きなだけ思い出に浸り 泣けばいいのだから


ずっと思っていて  とうとう 予想してたようには泣かなかった
泣きそうになると こう思って ストッパーをかけ 感情をシャッタ



出棺 火葬場へ
霊柩車のクラクションが、TVや映画のとおり


葬儀会社マイクロバスで火葬場へ

高台にありよく晴れて 海も見える
状況と場所と気持ちが一致せず  思考が飛ぶ


ここは火葬場で   おばあちゃんは棺の中で
周りは親族で 叔父の配偶者側の 知らない遠縁
黒い服だらけ
 

最後のお別れ
供花をさらにおばあちゃんへ


おばあちゃん 花だらけだよ
頬にかかっていた花の位置をずらし 顔だったか頬だったか覚えてないけど
手で触った



冬場 本当に手が冷えて ああ冷たい って言うけど
体温があって冷たいのとは違う冷たさ


人の体は 活動を終えると こんなにも冷たくなる



エレベータを想像させるドアが開き、
係りの方がローラーのついたストレッチャ上の棺を中へ押し
ドアが閉まると事務的に 点火のボタンは ここ と父に示す

父は 私たちを振り返ることもなく
ボタンを押すことに躊躇することもなく

Push The button 


きれいに焼いてください   合掌


待合室で 軽い昼食
町内の手伝いの方に作っていただいた
炊き込みおむすび(まん丸)
なぜか ビール(○−パー○○イ)3パック頼んだのに なぜか 3ケース 後で物議
そしてつまみ各種


おばあちゃん お昼いただくよ
ごめん  ビール うまー

おむすび 2個目たべるね

 2日前に20年ぶりに再会した従姉(言葉を失ったくらいでぶーん)と世間話
でぶーんの原因は酒の飲みすぎと判明   どうでもいい 好きなだけでぶーんでいれば



つづく